出逢ったばかりの頃、
お前の初めて見せた笑顔の中に
ナニカを見つけた気がした。
ずっと続くと信じて止まなかった幸せは
両親の時と同じように手をこぼれて落ちていった―
【the setting sun】
Vo6
「数が多いなぁ…っ桜鬼と鶴鬼じゃぁ厳しいかも…」
止まない攻撃の中を傀儡を操りかわしつつ、
攻撃を仕掛ける。
サソリほど巧みに操る事は出来なくても、
その戦闘力、センスは十分に実力を明記していた。
「やはり、お前のような存在を里に置くわけにはいかんなっ」
ガキィィィィン
接近してきた一人が桜鬼の仕掛けの餌食になる
「…もうそのセリフいいよ、私は里には戻らない…」
ふわり、ふわりと舞うようにチャクラ糸がつむがれる
縦横無尽に伸ばされたチャクラ糸、
範囲はおよそ10メートル内をまるで蜘蛛の巣のように伸びていて
その糸に触れた敵は桜鬼と鶴鬼の餌食になる。
それでも、体の傷は増え続ける。
「その姿、黒揚羽の二つ名は本物のようだなっ」
「本当の蝶は蜘蛛に食べられちゃうとおもうんだけど…?」
「2体の蜘蛛を操る黒揚羽…なんと恐ろしい…」
「お話の時間は終わりなんでしょ?さっさと終わらせようよ…」
「そうだな…」
正直任務の間もずっとチャクラを使っていたせいで
チャクラの残りが少ない…
素早く印を結ぶ手の動きを見て焦る。
相手は暗部の手練、甘く見れば大怪我ではすまない。
刹那その手から繰り出された土遁に反応が遅れる。
「くっっっっ」
ビリィと音を立てて、服と一緒にわき腹が切られていた。
ドクドクと脈打つ傷口にチャクラを当てて止血を始めるが傀儡を操りながらの
医療忍術は難しい。
しかもチャクラが少ないせいで応急処置しか出来ない。
残す敵はあと2人、周りには物言わぬ屍達がゴロゴロと転がっている。
「ハァハァ…(目がかすむ…血が足りない…)」
増血丸を口に放り込む。
いよいよチャクラが足りなくなってきて張り巡らした糸がプツリと音を立てて切れだす。
途端に動きが鈍くなる桜鬼と鶴鬼。
「(外傷の箇所はそんなにひどく無いけど、内臓がやばいかも…)」
「さぁ…終わりだ…」
「(ヤバイな…目が霞んで…)っっっ」
ザシュッッッ
くると思われた衝撃は訪れず、
襲って来るはずの人は動かなくなっていた。
そして目の前は濃紺に染まっていた。
「………」
「立てるか?」
「えっと…」
「ついて来い」
何を言わんとしているのかは目線で分かった。
彼はきっと私に居場所を与えてくれる存在。
でも、まだ…
目線の先には桜鬼と鶴鬼、
そして思うのはサソリ…
「その傀儡は連れてはいけない…お前の残りのチャクラを頂く代わりに影を残せるが…」
「貴方は…?」
「俺は…神だ。」
「(自分を神って…)…えっと…神様?」
「今はそう名乗っておこう」
「私…ゴホっっ」
ボタボタと口から血が溢れる。
「まずは移動だ…」
神と名乗る人に抱えられた瞬間何処か別の場所に移動した。
部屋のような所でちゃんとベットがあって、
そこに下ろされる。
「神…様?力が…はいら…」
「チャクラ全てを頂いたからな…先ほどの場所にお前の影を置いてきた」
「か・・・げ?」
「赤砂のサソリ…奴に伝えたい事があるのだろう…?」
「はな…せる…の?」
「あぁ、ただしお前から抜き取ったチャクラの量だけだ」
「ありがとう…」
「奴がくるまでまだ少しある、休んでおけ…」
「はい…」
ちゃんと言えるかな…
伝えられるかな…
サソリ…
サソリ…
「こっこれは一体…」
「息のある者はいないかしらべろ!!!」
「どう言う事だ…どいつもこいつも砂の暗部の奴らじゃねぇか!!は!!??」
真っ赤に染まった大地を進みながら
亡骸を見れば暗部と分かる面を付けている。
しかも、面は砂のモノであった。
「…あれは…っっ桜鬼!!!鶴鬼っっ」
グンッッとスピードを上げて近づけば横たわる
2体の傀儡。
「どういう…っっ!!!!!!」
2体に守られる様にその下に横たわるを見つけて血の気が引く
「っっ!!!っっ」
しかし、の体は羽の様に軽く、
かすかにブレてまるでノイズのかかった映像のようだった
「サソ…リ?」
「何があった!!??」
「ああ…なんか私里に戻れなくなっちゃった…」
「??…どういうことだ!?」
「本当のチヨママの子供じゃないから…砂の人間じゃないから…」
「!!??…チィッッ」
「今のこの体は本当の体じゃないから…桜鬼と鶴鬼、連れていけなかったけど…」
「…おい…今何処にいるんだ…?」
「わかんない…助けてくれた人と居るんだけど…」
「ソイツァ誰だ!!」
「知らない人だったよ…ゴホッ…でも顔に沢山ピアスしてる人だった」
映像のようなの体は至る所から血が出ていて、
話している間にも口から血があふれてくる。
「お前怪我…してるのか?」
「沢山居たからね…ちょっと怪我してる…でも、大丈夫だよ?」
「………戻って来い…」
「ゴホッッ…それは、ダメだよ…サソリ」
の体が薄くなる、
ノイズが濃くなる。
『そ…ろ限…だ―』
ノイズに混じって男の声がする
「おい!!!!!!!!」
「サソリ…死んじゃダ…よ?チヨママに…ババァって言うのも…てね?」
「何言ってるか…聞こえ…ねぇよっっ」
「サソリ…――かないで…?」
「…」
「サ…リ…わた…きよ…」
「!!!!」
一瞬風が吹いたとおもったらの体は消えていた。
周りにはオレの隊の奴ら…
みな複雑な表情をしている。
「………おい、お前らこの事知っていたのか…?」
「…はい、サソリ様の足を止めろと、から引き離すようにと…」
「誰からの命令だ…?」
「そっそれはっっ!!里の為です!あのような素性の知れぬ者を里に置くわっっ」
言い終わる前にしゃべっていた奴の首が飛ぶ。
「言え…誰からの命令だぁ…」
「ひぃぃっっっ」
「言えって言ってんだろぉが…」
「かっ風影様からのっガハッ」
顔に血がかかる。
「風影…許さねぇ…」
その場に居た奴らを全員始末し、
単身で砂に帰る。
終わらせてやる。
里はいつもオレから大事なモノを奪っていく…
大切なモノを奪った奴らを許さない。
の居ない里はオレの帰る場所じゃなくなった。